ブログ / 2時間の会議録音、文字起こしにどれくらいかかる?
2時間の会議録音、文字起こしにどれくらいかかる? — 時間を決める4つの要素
ローカル文字起こしを検討する人が最初に気にするのが処理時間です。正直な答えは「あなたのPCによる」——なので、この記事では時間を決める要素の分解に加えて、Mac(M1 Mac mini)と Windows(低価格帯ノート)での実測値を載せます。
要素1: PCの性能(最大の変数)
ローカル文字起こしは音声認識の計算をPCが実行するため、チップの性能がそのまま速度になります。
- Apple Silicon(M1以降)のMacは有利。 チップ内のAI専用回路(Neural Engine)を音声認識に使えるため、ローカル文字起こしと特に相性がよい環境です。WhisperHUBのMac版はここに最適化したWhisperKit系エンジンを使っています。
- Windowsは幅が広い。 近年のCPUなら実用になりますが、機種の幅が大きいぶん速度の幅も大きくなります。
- 目安の考え方: 「録音時間の"何分の一"で終わるか」。 近年のPCなら録音時間の数分の一、Apple Siliconなど得意な環境では十数分の一(2時間の録音が十数分程度)で終わります。チップが速いほど、この時間はさらに短くなります。
要素2: モデルのサイズ(精度との交換)
Whisper系のモデルは複数サイズがあり、大きいほど高精度・低速、小さいほど高速・低精度です。WhisperHUBでは145MBの軽量モデルから約1GBの高精度モデルまで選べます。
| モデルの傾向 | 向いている用途 |
|---|---|
| 小さいモデル(Tiny/Base級) | とにかく速く概要を掴みたい・議事メモの下書き |
| 中間(Small級) | 速度と精度のバランス重視の日常使い |
| 大きいモデル(Large級) | 原稿・逐語録など、修正の手間を減らしたい本番用途 |
おすすめの運用は「本番はLarge級に固定し、急ぎのときだけ小さいモデルに切り替える」です。修正時間まで含めた合計では、高精度モデルの方が速いことがよくあります。
要素3: 音声の中身(無音と話者分離)
- 無音・沈黙の多い録音は実質的に速い。 処理は発話区間が中心なので、会話が疎らな2時間と喋りっぱなしの2時間では、後者の方が時間がかかります。
- 話者分離をオンにすると処理が増える。 「誰が話したか」の解析(仕組みはこちら)が追加で走るぶん、合計時間は延びます。話者が不要な独り言メモではオフにすると速くなります。
- 録音の質は速度より精度に効く。 雑音だらけでも処理時間はさほど変わりませんが、誤認識が増えて修正時間が延びます。合計時間で見ればマイク品質も「速度対策」です。
要素4: 初回だけの準備時間
「思ったより遅い?」の正体が、実は初回限定の準備であることがよくあります。
- モデルのダウンロード(初回のみ)。 145MB〜約1GBを一度だけ取得します。回線次第で数分です。
- モデルの初期化(初回のみ)。 特にMacでは、モデルをNeural Engine向けに最適化する処理が初回だけ走り、数十秒待つことがあります。2回目以降はほぼ一瞬です。「初期化中…」で止まって見えても故障ではありません。
実測: Mac と Windows で11分の音声を処理すると
実際に測りました(2026-07-20実測)。同じ音源を、Mac と Windows の2機種で流しています。
Mac(最安級のApple Silicon)
使ったのはあえて最安級のApple Silicon、Mac mini(M1・メモリ16GB・2020年発売)です。最新の上位チップなら、これより速くなります。
| モデル | 11.2分の音声の処理時間 | 録音時間との比 | 2時間の録音に換算 |
|---|---|---|---|
| Tiny(最速・精度低) | 14秒 | 約47分の1 | 約2.5分 |
| Small(中間) | 1分10秒 | 約10分の1 | 約12.5分 |
| Large v3(高精度・推奨) | 1分38秒 | 約7分の1 | 約17.5分 |
Windows(低価格帯の薄型ノート)
同じ音源を、あえて条件の厳しいWindowsノートでも測りました。Dell Inspiron 5415(AMD Ryzen 5 5500U・6コア・メモリ16GB・2021年発売)です。GPU支援なしのCPU処理になります。
| モデル | 11.2分の音声の処理時間 | 録音時間との比 | 2時間の録音に換算 |
|---|---|---|---|
| Tiny(最速・精度低) | 52秒 | 約13分の1 | 約9分 |
| Small(中間) | 3分46秒 | 約3分の1 | 約40分 |
| Large v3 Turbo(高精度・おすすめ) | 8分00秒 | ほぼ等速 | 約1時間26分 |
測定条件: 連続発話11.2分の日本語音声(合成音声・無音ほぼなし=実際の会議より発話が詰まった、時間がかかりやすい条件)/ WhisperKit系エンジン / 話者分離オフ / モデル準備済みの2回目実行を計測(初回のみモデル最適化で追加時間がかかり、Large v3は初回だけ4分17秒でした)。話者分離をオンにすると、この時間に解析分が上乗せされます。Windows側は同一音源・同一設定で、アプリ同梱の実バイナリをアプリ本体と同じ引数で実行して計測しました。
自分の環境で見積もる方法
カタログ値より確実な方法があります。10分の録音を1本、実際に処理してみることです。
- 手持ちの録音から10分程度のものを選ぶ(なければ2時間の録音でそのまま計ってもOK)。
- 普段使う予定のモデル・話者分離設定で文字起こしし、所要時間を計る。
- 「録音10分あたり◯分」がわかれば、あとは掛け算です。2時間の会議なら12倍してください。
| 10分の録音の実測が… | 2時間の録音の目安 | 体感 |
|---|---|---|
| 1分だった場合 | 約12分 | コーヒーを淹れている間に終わる |
| 3分だった場合 | 約36分 | 昼休みの間に終わる |
| 6分だった場合 | 約72分 | 別作業の裏で回す使い方に |
| それ以上かかった場合 | 古めの機種でも、待てば完了します | 軽いモデルに替えると大きく短縮できます |
※上の表は換算の考え方です。実測1回でこの表のどの行に当てはまるかがわかります。
WhisperHUBの無料トライアルは登録不要で全機能が使えるので、この実測がそのまま購入判断の材料になります。自力でWhisperを動かして測ってみたい方は Whisperをそのまま使う vs アプリで使う もどうぞ。
あなたのPCでの「実測値」を出してみませんか
アカウント登録もクレジットカードも不要。いつもの録音1本で、速度と精度を確かめてください。
ローカル文字起こしでは、音声を外部サーバーへ送信しません。
7日間無料・全機能・macOS(Apple Silicon)/ Windows対応