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解説

2時間の会議録音、文字起こしにどれくらいかかる? — 時間を決める4つの要素

公開: 2026-07-19 ・ 更新: 2026-07-26(Windowsの実測を追加) ・ 執筆: WhisperHUB開発者

ローカル文字起こしを検討する人が最初に気にするのが処理時間です。正直な答えは「あなたのPCによる」——なので、この記事では時間を決める要素の分解に加えて、Mac(M1 Mac mini)と Windows(低価格帯ノート)での実測値を載せます。

2時間の録音、何分で文字になる? — 文字起こしの時間を決める4つの要素
クラウド型と違い、ローカル型の速度は機種ごとに差があります。この記事では誇張した「◯倍速!」の類は書きません。確実なのは自分のPCでの実測で、その方法も最後に紹介します。

要素1: PCの性能(最大の変数)

ローカル文字起こしは音声認識の計算をPCが実行するため、チップの性能がそのまま速度になります。

要素2: モデルのサイズ(精度との交換)

Whisper系のモデルは複数サイズがあり、大きいほど高精度・低速、小さいほど高速・低精度です。WhisperHUBでは145MBの軽量モデルから約1GBの高精度モデルまで選べます。

モデルの傾向向いている用途
小さいモデル(Tiny/Base級)とにかく速く概要を掴みたい・議事メモの下書き
中間(Small級)速度と精度のバランス重視の日常使い
大きいモデル(Large級)原稿・逐語録など、修正の手間を減らしたい本番用途

おすすめの運用は「本番はLarge級に固定し、急ぎのときだけ小さいモデルに切り替える」です。修正時間まで含めた合計では、高精度モデルの方が速いことがよくあります。

要素3: 音声の中身(無音と話者分離)

要素4: 初回だけの準備時間

「思ったより遅い?」の正体が、実は初回限定の準備であることがよくあります。

  1. モデルのダウンロード(初回のみ)。 145MB〜約1GBを一度だけ取得します。回線次第で数分です。
  2. モデルの初期化(初回のみ)。 特にMacでは、モデルをNeural Engine向けに最適化する処理が初回だけ走り、数十秒待つことがあります。2回目以降はほぼ一瞬です。「初期化中…」で止まって見えても故障ではありません。

実測: Mac と Windows で11分の音声を処理すると

実際に測りました(2026-07-20実測)。同じ音源を、Mac と Windows の2機種で流しています。

Mac(最安級のApple Silicon)

使ったのはあえて最安級のApple Silicon、Mac mini(M1・メモリ16GB・2020年発売)です。最新の上位チップなら、これより速くなります。

モデル11.2分の音声の処理時間録音時間との比2時間の録音に換算
Tiny(最速・精度低)14秒約47分の1約2.5分
Small(中間)1分10秒約10分の1約12.5分
Large v3(高精度・推奨)1分38秒約7分の1約17.5分

Windows(低価格帯の薄型ノート)

同じ音源を、あえて条件の厳しいWindowsノートでも測りました。Dell Inspiron 5415(AMD Ryzen 5 5500U・6コア・メモリ16GB・2021年発売)です。GPU支援なしのCPU処理になります。

モデル11.2分の音声の処理時間録音時間との比2時間の録音に換算
Tiny(最速・精度低)52秒約13分の1約9分
Small(中間)3分46秒約3分の1約40分
Large v3 Turbo(高精度・おすすめ)8分00秒ほぼ等速約1時間26分
この差は機種の差だけではありません。Mac版はApple Neural Engine(AI計算用の回路)を使えるのに対し、Windows版はCPUで計算しています。エンジンの違いを含んだ数字である点を正直に書いておきます。また測定機は数万円クラスの省電力ノートで、デスクトップやより新しいCPUならこれより短くなります。

測定条件: 連続発話11.2分の日本語音声(合成音声・無音ほぼなし=実際の会議より発話が詰まった、時間がかかりやすい条件)/ WhisperKit系エンジン / 話者分離オフ / モデル準備済みの2回目実行を計測(初回のみモデル最適化で追加時間がかかり、Large v3は初回だけ4分17秒でした)。話者分離をオンにすると、この時間に解析分が上乗せされます。Windows側は同一音源・同一設定で、アプリ同梱の実バイナリをアプリ本体と同じ引数で実行して計測しました。

まとめると、5年前の最安級Macでも、推奨モデル(高精度)で2時間の会議が約17〜18分。会議が終わってコーヒーを淹れて戻る頃には、全文ができている速度です。低価格帯のWindowsノートでも約1時間26分——待って使うには長いですが、席を立つ前に流しておく使い方なら十分に実用の範囲です。詳しい内訳はM1 Mac miniの実測記事に、性能に余裕のないPCでどこまで動くかは低スペックWindowsノートでの検証記事にまとめました。

自分の環境で見積もる方法

カタログ値より確実な方法があります。10分の録音を1本、実際に処理してみることです。

  1. 手持ちの録音から10分程度のものを選ぶ(なければ2時間の録音でそのまま計ってもOK)。
  2. 普段使う予定のモデル・話者分離設定で文字起こしし、所要時間を計る。
  3. 「録音10分あたり◯分」がわかれば、あとは掛け算です。2時間の会議なら12倍してください。
10分の録音の実測が…2時間の録音の目安体感
1分だった場合約12分コーヒーを淹れている間に終わる
3分だった場合約36分昼休みの間に終わる
6分だった場合約72分別作業の裏で回す使い方に
それ以上かかった場合古めの機種でも、待てば完了します軽いモデルに替えると大きく短縮できます

※上の表は換算の考え方です。実測1回でこの表のどの行に当てはまるかがわかります。

WhisperHUBの無料トライアルは登録不要で全機能が使えるので、この実測がそのまま購入判断の材料になります。自力でWhisperを動かして測ってみたい方は Whisperをそのまま使う vs アプリで使う もどうぞ。

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開発

WhisperHUB開発者「アップロードしない、無制限の文字起こし。」を個人開発しています。機密音声を扱う方が安心して使える道具を目指しています。速度の質問が一番多いので、見積もり方から書きました。

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