ブログ / 低スペックWindowsでも実用になるか実測
検証
低スペックのWindowsノートでも、ローカル文字起こしは実用になるか実測した
「うちの安いノートPCでも動くの?」——ローカル文字起こしで一番よく聞かれる質問です。そこでわざと条件の厳しい機種——2021年発売・低価格帯の省電力ノート——で実測しました。答えを先に書くと、「速くはない。でも使い方を合わせれば実用になる」です。
この記事は「性能に余裕のないPCでどこまで動くか」の下限チェックです。近年の標準的なWindows機(デスクトップ・上位世代ノート)は処理時間がCPU性能にほぼ比例して短くなるため、ここの数字より速くなります。Apple Silicon Macでの実測は別記事をどうぞ。
測定条件(正直に開示します)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機種 | Dell Inspiron 5415(AMD Ryzen 5 5500U・6コア・メモリ16GB・2021年発売)。数万円クラスの薄型ノート・省電力CPU・GPU支援なし=意図的に厳しい条件 |
| 音源 | 連続発話の日本語音声 11.2分(672秒)。無音がほぼない=実際の会議より時間がかかりやすい条件 |
| 設定 | 話者分離オフ / 言語=日本語を指定 / 各モデル2回実行し2回目を採用 |
| エンジン | whisper.cpp系(CPU実行)。WhisperHUBのWindows版と同じ構成・同じ引数で計測 |
結果: モデル別の処理時間
11.2分の音源を処理し終えるまでの実時間です。
| モデル | 処理時間 | 録音時間との比 | 2時間の録音に換算 |
|---|---|---|---|
| Tiny(最速・精度低) | 52秒 | 約13分の1 | 約9分 |
| Small(中間) | 3分46秒 | 約3分の1 | 約40分 |
| Large v3 Turbo(高精度・おすすめ) | 8分0秒 | 約1.4分の1 | 約1時間26分 |
※CPU処理のため初回と2回目の差はわずかで、Macのような初回だけの大きな待ちはありませんでした。処理中はCPUがフル稼働するので、他の重い作業との同時進行は避けるのが無難です。
この速度は「実用」なのか
高精度モデルで「録音とほぼ等速」。これをどう評価するかは、使い方次第です。
- 「終わるまで画面の前で待つ」なら不合格。 2時間の会議に1時間半待つのはストレスです。この使い方をしたい方は、軽いモデルにするか、速い機種をどうぞ。
- 「処理をかけて別の仕事をする」なら合格。 会議後に処理を開始して他の業務に戻れば、気づいたときには全文ができています。手起こし(録音時間の数倍の作業時間がかかりがち)と比べれば、拘束時間はゼロに近い。
- そしてこの間、音声は外部サーバーへ送信されていません。 遅くても、機密の録音を外部に送らず文字にできる——これがローカル処理の代えの効かない部分です(社外秘録音の扱い方)。
低スペック機での賢い使い方3つ
- 「裏で回す」を基本にする。 昼休み前・退勤前・離席前に処理を開始する運用にすれば、処理時間は体感から消えます(長時間音源の実務)。
- 用途でモデルを使い分ける。 議事録など精度が要るものは高精度モデルを裏で、内容確認だけならSmall(2時間→約40分)、速報はTiny(2時間→約9分)。「まずTinyで当たりをつけ、必要な会議だけ高精度で回し直す」二段構えも有効です。
- 話者分離は必要なときだけオンに。 解析が増えるぶん時間が延びるので、1人語りのメモではオフが正解です(仕組み)。
まとめ: 「安いPCだから無理」ではありませんでした。 2021年の省電力ノートでも、運用を工夫すれば時間無制限のローカル文字起こしがちゃんと回ります。そして新しめのPCなら、この数字より確実に速くなります。
自分のPCで確かめる方法
お使いのPCがこの機種より新しくても古くても、確かめ方は同じです。10分の録音を1本、実際に処理して時間を計る——それだけで「10分あたり◯分」がわかり、どんな長さの録音でも掛け算で見積もれます。WhisperHUBの無料トライアルは登録不要で全機能が使えるので、購入前にこの実測ができます。速度が何で決まるかの理屈は時間を決める4つの要素をどうぞ。
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